宮古島のパーントゥとは?伝統的な厄祓いの奇祭を体験しよう!
宮古島は、年間40万人以上もの観光客が訪れる沖縄屈指のリゾートアイランドです。宮古島の魅力には美しい海や豊かな自然、島グルメなどが挙げられますが、本州とは一味違った文化や歴史にも興味がある人はいませんか。
そこで今回は、宮古島の伝統行事であるパーントゥを紹介します。パーントゥ以外の伝統行事も紹介するので、宮古島の文化や歴史に触れたい人はぜひ参考にしてみてください。
Contents
宮古島で伝わるパーントゥとは
「宮古島のパーントゥ」とは、宮古島で昔からおこなわれている伝統的な厄祓い行事のことです。そもそもパーントゥとは、宮古島の方言で鬼神や妖怪を意味する言葉で、海の向こうから来訪した神様といわれています。そのパーントゥが集落を回って島民の厄を祓うのが伝統の恒例行事となっており、2018年にはユネスコの無形文化遺産へ登録されました。
宮古島のパートゥンは、平良地区の島尻でおこなわれる「パーントゥ・プナハ」と、上野地区の野原でおこなわれる「サティパロウ」の2種類あります。それぞれの特徴について見ていきましょう。
平良地区島尻でおこなわれるパーントゥ・プナハとは
プナハとは宮古島の方言で「祈願祭」という意味です。パートゥン・プナハは、パートゥンの来島をお祈りするための伝統行事として、年に3回おこなわれます。3回目には黒い仮面をつけて全身に臭い泥を塗ったパーントゥが島尻集落の「ウマリガー」から突如現れ、島民に無差別に泥をつけて回るのです。
泥を塗られることで厄祓いになるといわれ、新築の家や新しい車、赤ちゃんなどにも泥が塗りたくられていきます。泥は硫黄のような強烈な臭いがするので島の人たちは逃げ出してしまい、三体のパーントゥと島民の追いかけっこの様子をあらゆるところで目にするでしょう。
パーントゥ・プナハの由来は、数百年前に島尻の海岸に漂着した仮面を、島民が被って集落内を駆け回ったことだと伝えられています。地域の住民だけでなく観光客も参加できるイベントですが、参加するとほぼ強制的に強烈な臭いの泥を塗られるため、汚れても良い格好で参加しましょう。泥を塗られたくない人は、集落内に入ってはいけません。
上野地区野原でおこなわれるサティパロウとは
サティパロウとは、宮古島の方言で「里祓い」の意味があります。一人の少年がパーントゥの面をつけ、「ニーマガー」の井戸から地区内を練り歩きます。その後ろにはほかの少年や女性が列を作り、「ホーイホーイ」と唱えながら厄を祓う伝統行事です。
少年はほら貝や小太鼓を演奏し、女性たちは草冠や草帯を身につけ列に加わります。集落の端にある「ムスルンミ」に到着すると、身につけていたものを外し行事が終了します。
サティパロウには少年と成人した女性しか参加せず、成人男性や少女は参加しません。ただし、観光客もその様子を見ることができ、宮古島の文化を肌で感じることができます。
宮古島のパーントゥの時期
宮古島のパーントゥは、旧暦で開催されます。平良地区島尻でおこなわれるパーントゥ・プナハは、旧暦の3月末から4月頭、5月末から6月頭、9月吉日の年3回おこなわれ、泥だらけのパーントゥが出現するのは旧暦9月のものです。詳しい日時は開催ギリギリまで明らかにされないため、どうしても参加したい人はこまめに情報をチェックしておきましょう。
上野地区野原でおこなわれるサティパロウは、旧暦の12月最後の丑の日におこなわれるのが恒例です。そもそも旧暦とは新月を1日として数える昔の暦法で、現在使われている太陽暦と比べると日数が合わず、現在の暦とは日にちがずれます。宮古島のパーントゥは旧暦のため、現在の暦とは異なることを知っておきましょう。
宮古島のほかの伝統行事
宮古島には、パーントゥのほかにさまざまな伝統行事があります。宮古島の文化や歴史を体感するためにも、タイミングが合えば伝統行事に参加してみてはいかがでしょうか。
- 旧二十日正月祭
- 大綱引き
- クイチャーフェスティバル
- なりやまあやぐまつり
- マストリャー
旧二十日正月祭
旧二十日正月祭は、旧暦の1月20日に宮古島市城辺の比嘉地区でおこなわれる無病息災や1年の幸せを願うお祭りです。100年以上受け継がれている旧二十日正月祭では、三味線やほら貝の音が響くなか、2頭の獅子を先頭に草冠をつけた住民が集落を練り歩きます。
大綱引き
上野地区の宮国で毎年行わる大綱引きは、300年以上も受け継がれる宮古島の無形民俗文化財にも指定された伝統行事です。旧暦のお盆最終日の送り日に合わせておこなわれ、先祖を送り出し豊作と豊漁を祈願する役割があります。
集落の人によって作られた大縄を西里と東里にわかれた住民たちが引き合い、2勝した方の勝利です。綱引きが終わった後は先端の部分が切られ、東西それぞれにある御嶽に奉納されます。
クイチャーフェスティバル
クイチャーは、性別や年齢問わず誰でも踊れる宮古島を代表する集団舞踊です。豊穣を願う民衆の祈りのために生まれたクイチャーには、円陣を組み手拍子をしながら踊る特徴があります。クイチャーは集落ごとにさまざまな違いがあり、クイチャーフェスティバルでは集落ごとの個性豊かなイチャーを見ることができます。
なりやまあやぐまつり
なりやまあやぐとは、宮古島民謡を代表する歌謡曲です。なりやまあやぐまつりは、なりやまあやぐを島内や島の外へアピールするためにおこなわれるイベントです。なりやまあやぐの発祥の地である城辺地区友利のインギャーマリンガーデンで開催され、幻想的な雰囲気で宮古島の文化を堪能することができます。
マストリャー
マストリャーは、上野地区野原で旧暦の十五夜におこなわれる豊年祭です。宮古島の無形民俗文化財に指定された、300年の歴史がある民俗芸能です。月明かりの下で集落の人々が棒と手を使って踊り、幻想的な風景を見ることができます。
宮古島の伝統行事に参加する注意点
宮古島にはさまざまな伝統行事がありますが、どれも島民の幸せを願った大切な意味のあるものばかりです。軽い気持ちで訪れると地域住民の人に迷惑をかける可能性もあるため、以下の注意点を守って参加しましょう。
- 敬意を払って行事に参加する
- 内容をしっかり把握する
- 常識を押し通さない
敬意を払って行事に参加する
宮古島の伝統行事に参加するのに大切なのが、敬意をもつことです。興味本位で写真映えのためだけに参加するのは、行事を大切に参加している島民の人からしたら良い気はしません。宮古島の文化や歴史を肌身で感じるつもりで、全身で行事を楽しみましょう。
内容をしっかり把握する
宮古島の伝統行事には、さまざまな種類があります。なかにはパートゥンみたいに観光客も参加できるものもありますが、内容を知っていなければトラブルになってしまいます。実際、パートゥンでは過去に観光客との間でトラブルが起きたようです。そうならないよう、行事の中身をちゃんと把握しておきましょう。
常識を押し通さない
宮古島の伝統行事中は、通常の常識は意味がありません。パーントゥの例を出すと、いきなり強烈な臭いの泥をつけられることなんかないですよね。しかし、いつもとは違った非日常空間になるのが伝統行事の魅力でもあります。伝統行事に訪れたら、そのときのルールを遵守しましょう。
まとめ
宮古島のパーントゥとは、昔からおこなわれている伝統的な厄祓い行事のことです。地域によって異なる2つのパーントゥがあり、平良地区の島尻では神様であるパーントゥに泥をつけてもらい厄祓いをおこないます。上野地区の野原では、少年と成人女性が集落内を歩くことで厄を祓うのが一般的です。
宮古島にはパーントゥ以外にもさまざまな伝統行事があり、基本的には観光客も参加できます。宮古島の伝統行事に参加する際は、今回紹介した3つの注意事項をよく守り、宮古島の文化や歴史を実感しましょう。パーントゥをはじめ伝統行事を見るには、車での移動が便利です。宮古島でのレンタカーでは、宮古島観光を全力で応援するパニパニレンタカーをご利用ください。